オンブズマンの中心的な仕事の中に、現在の法律の欠如というものを見出すという、
そういう国連の基準規則に、現在の法律がそれに合っているかどうかを見守るということがあります。
それによって、もし、機能障害を持つ人達の権利とか生活において、現在の法律がもし合っていないことがあったり、
足りないものがあるとすれば、それを整理していきます。
で、その調査によって、いろんな法律ですとか機構機関に欠如があるのかどうかということが分かる訳ですから、
調査というものは、私たちにとって非常に大事な仕事となります。
例えば、不平等ということや差別されるということが出てくる場合は、その差別されているものの原因を探る
ということが大事ですが、調査によってそれをいろいろと検討して判断して、どこにその差別の原因があるか
ということに辿り着かなければ、その差別というのは無くなりません。
そのようにオンブズマンというものは、原因を見つけるだけじゃなく、その原因となるものをなくするための一つの
解決策ということを見つけるためにも非常に重要です。
そして、国連の規則条項にあるように変えていくような解決策を見つけ、差別というものを無くすための解決策を
見つけるということにおいて、調査というものが非常に根本的な仕事になります。
国連の基準規則というのは22章からなっているのですが、この国連の基準規則というのは、各国政府に対しての
強制力はありません。
強制力は無いけれども、非常に道徳的な国の意志というものを問われていますので、これは全世界的にそういう
基準規則がひとつの基盤となるようにという意味を持っています。
障害者福祉政策の大きな目標の一つは完全な参画と平等ということですが、
この国連の規則は、非常にスウェーデンの社会生活にかなり密着しているわけです。
そのため国連の基準に関しては、スウェーデンが主導権をとって非常に力を
入れています。
この中に二つの重要なことが書かれていますが、それは、全世界中どこにでも一般的に言われている、
いわゆる「機能障害」という言い方ですね。
機能の欠如、或いは低下ということ、それからもう一つはハンディキャップという考え方です。
つまり機能障害というものは、周りとのなかでハンディキャップというものになるという考え方です。
機能障害というものが、周りとの関係の中でいろいろな差し障りが出てくるということがハンディキャップの原因に
なる訳ですから、いろいろな、例えば、社会生活とか教育とか、そういうもののあらゆる生活をおくるうえで
妨げが無くなるということが、国連基準規則の目的の一つです。
国連の条項の中でも、特に医療ですとかリハビリテーションとか、或いは介助器具ですとか介護サービスとか
というものが、個人のニーズに合わせて行われることによって、個人と周りとの関係によって生まれる
ハンディキャップを軽減し、或いは無くしていこうというものです。