訪問看護師とスウェーデンハンドセラピー

スウェーデンハンドセラピー

医療の在宅シフトで重要性が高まる訪問看護ステーション

厚生労働省は、2015年より全国の都道府県に地域医療構想の策定を義務付けて、病床数の削減に取り組んできました。
その背景には、医療費の削減や住み慣れた家で過ごしたいと考える患者本人や家族の意向を実現するという意図があり、また、病床数の削減というのは、療養期にある患者を病院から在宅へ移行させることを意味しています。

こうした流れの中で、在宅医療の最前線を担う訪問看護ステーションの役割は、ますます重要になってきました。
実際、この10年で全国の一般病床の平均在院日数は短くなる一方で、訪問看護サービスの利用者は年々増加しています。

 コロナ禍が訪問看護ステーション運営へ及ぼす影響

しかし、このように在宅医療における訪問看護の必要性は高まってはいるものの、現実には、訪問看護ステーションは小規模で経営基盤の脆弱な事業所が多く、サービスの持続的な提供に課題があるといわれてきました。

そして、そのような状況の中でコロナ禍が生じたことにより、感染防止の観点から、利用者の利用自粛や、訪問看護ステーション側のサービス制限が行われており、さらに経営を圧迫しているというのが現状です。

事業継続が難しい訪問看護ステーションが増えるということは、在宅医療という観点でみると社会的にも大きなマイナスです。
そのために、行政からの支援は不可欠であると共に、現場においても、この波乱の時期を「変革」の好機と捉えて、ICTの活用、地域内ネットワーク構築などに加え、「いかに利用者に満足してもらえるか?」というソフト面においても、利用者の期待に応える対応を探っていかなければなりません。

訪問看護師とハンドセラピー

患者の治療においてハンドセラピーが有効であることは、ハンドセラピー発祥の地であるスウェーデンの医療や福祉の現場で実証済みです。

疾患の治療をするというよりも、ハンドセラピーによって患者に安心感を与え、痛みを和らげる効果で、心と体の癒しが得られ、患者からの満足感が増すからです。

日本でも、ハンドセラピーが導入されてからは、特に看護師が勤務する病院などの現場でハンドセラピーの効果が次第に認められるようになりました。

しかし、病院という環境というものは、構造的に新しいものが導入されるということは中々難しいというのが現実ですが、訪問看護という場では、ハンドセラピーのような手法が、訪問看護師の判断で容易にできるというメリットがあります。

「ハンドセラピーを施術してから、利用者が好意的に対応してくれて、仕事が捗るようになった」という声が多くなり、実際、講座には訪問看護師の受講者が次第に多くなってきました。

つまり、ハンドセラピーの恩恵を一番受けるのは、ケアを提供する訪問看護師と利用者であると言っても過言ではありませんし、実際、訪問看護ステーションは、ハンドセラピーが最も有効に使える現場であるといえます。

スウェーデンハンドセラピーの講座が、参加希望者1名でも可能に…

昨年から続く厳しい状況の中で、スウェーデンハンドセラピー協会が8月に再発足しましたが、ソーシャルディスタンスや人との接触を避けるというコロナ対策によって、ハンドセラピーの講座は、今まで開催されるまでには至りませんでした。

コロナによる影響が一番大きいとはいえ、今までは講座の開催は参加者5名以上という基準があったために、協会としても、個々に受講を希望する声を受けても、中々講座が開けない状況であったわけです。

そこで、スウェーデンハンドセラピー協会では、今年の2021年から方針を変え、参加者が1名でも講座が開かれるようにというように新しいガイドラインが作られました。

その結果、この厳しい状況の中で…新年早々に参加者が1名という講座が始まります。

インストラクターと講座についての、新しい方針!

インストラクター自身の周りで講座の受講を希望する方がいる場合には、協会との提携によって自分で講座を開催することができ、またその場合は、通常のインストラクター講師料の他に、「普及促進協力費」として一定のインセンティブが支払われる…というように、講座やインストラクターのガイドラインが新しく変わりました。

これによって、今まで個別に問い合わせがあった受講希望者にとって講座が受けやすくなり、またインストラクターにとっても、職場や身の回りにいる近しい人たちの中でハンドセラピーの手法を習いたいという人がいれば、容易に講座を開くことができるようになりました。

協会としては、ここで協会主催の講座の募集を大幅に行うということはまだできませんが、希望者がいればできるだけ講座が開けるように、インストラクターとの協力体制も確立して、この難しい時期にありながらも、ハンドセラピーの浸透に努めていきたいという方針です。

詳細については、スウェーデンハンドセラピー協会のホームページをご覧ください。

スウェーデンハンドセラピー協会
https://swedenhandtherapy.com/

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