私たちの仕事の中に、スウェーデンではこの国連の基準規則に照らし合わせて、各コミューンでどのように
その基準規則が守られているかという調査があります。
1996年にスウェーデンの各コミューン(各市町村)に対して、各市町村がそれぞれ障害者福祉政策というものを
持っているか、またそれを施行していくためのプランを持っているかということについてのアンケートを取りました。
それによりますと、半数に満たないコミューンが、それらの政策を持っていたということがわかりました。
その半数以下しかいなかったコミューンのなかでは、3分の2のコミューンがこれからそういうふうな社会政策機関とか
そういうものをつくるという用意があるということを回答しましたので、私たちはそれが非常に刺激になりまして、
コミューンに向けての障害者に関するインフォメーションでもある「障害読本」というものをつくりました。
それから企業に働きかけて、会社の中で障害をもった人達に貢献するような製品を作っている会社とか、
障害を持った人達を雇うことについて貢献した会社に対して賞金を与えるという、そういう広報もやりました。
また、社会保険局におきまして、障害を持った人達の家族に対する保険金とか、他にもありますけれども、
それを申請して受理されるまでにかかる時間というものが、どのくらいかかるのかというような調査もやりました。
さらに、仕事をやってゆくなかで、障害を持っているということでどんな差別があったかというような調査も行いました。
今まで、私は障害者オンブズマンの仕事について話しましたけれども、
スウェーデンではその他に福祉サービスに対する監査、監視を行っている機関があります。
それは社会庁ですが、監査庁のような性格で、各コミューンでの社会サービスがきちんと実施されているかを監査する
機関です。
その他に公共病院などですが、その病院による処置というものが適切であったかを監査する「患者委員会」という
監査機関もあります。
今日、私は、ハンディキャップオンブズマンというのがどういう役割を持っているのか、どういう地位にあるのか、
ということについてお話をしました。
法律というのは非常に大切なものです。
それから、障害者オンブズマンというものも非常に大事です。
一番大事なのは、障害を持つ一人一人が、いろんな場所で平等に参画していくという目標を、
毎日の仕事や生活の中で具体的に行っていくことです。
どうもありがとうございました。