スウェーデン、ひとくち情報
基本情報
地理
- 総面積:450,000平方km
- 森林:53%
- 山地:17%
- 耕地:8%
- 湖沼と河川:9%
- 最高峰:ケブネカイセ山(2,111m)
- 南北最大距離:1,574km
- 東西最大距離:499km
概要
- 首都:ストックホルム
- 公用語:スウェーデン語 ※英語力は非常に高い
- 人口:約1,052万人(2022年)
- 国家の形態:立憲君主制・議会民主制
- 国王:カール16世グスタフ
- 首相:ウルフ・クリステンション(穏健党党首)
- 議会:一院制349議席 (国会議員数:349名)
- EU加盟年:1995年
- NATO加盟年:2024年
- 失業率:6.2 % (2023年)
- 教育体制:6-3-3制
- 義務教育年度:7~16歳 計9年
- 平均寿命:男性81.34歳、女性84.73歳(2022年)
- 合計特殊出生率:1.66人(2020年)
- 通貨:スウェーデン・クローナ(1SEK=約14.40円、2024年2月時点)
- 宗教:人口の8割が、スウェーデンの福音ルーテル協会に所属。(プロテスタント教の一派)
地理と気候
スウェーデン全土の面積は約45万平方キロ。 およそ、米国のカリフォルニア州、スペイン、タイ等と同じ広さ。(日本は、約38.7平方キロ)
全国的に割と平坦な地形で、北西部には山脈もあるが、最高峰でも海抜2111mである。国土のおよそ半分は森林で覆われ、耕地は10%未満。
その中に大小約10万もの湖があり、また海岸には何千という群島がある。
スウェーデンは、北極圏にもまたがるスカンジナビア半島にあり高緯度に位置するが、メキシコ湾流の影響で気候はおだやか。国土は南北に長いため、北部と南部では気温差が大きい。
北部の平均気温は夏が12.8度、冬は-13度。南部では夏が17.2度、冬は-0.7度。
また、北部の冬は長く寒さも厳しいが夏は比較的暖かく、6月7月には1日中太陽の沈まない白夜となる。
平均気温と日照時間
平均気温 | 1月 | 7月 |
マルメ(南部) | -0.2℃ | +16.8℃ |
ストックホルム(中部) | -2.8℃ | +17.2℃ |
キルナ(北部) | -16℃ | +12.8℃ |
日照時間 | 1月 | 7月 |
マルメ(南部) | 7時間 | 17時間 |
ストックホルム(中部) | 6時間 | 18時間 |
キルナ(北部) | 0時間 | 24時間 |
人口と国民
約1,052万人(2022年)。そのうち、約85%は、スウェーデンの南半分側に住む。
スウェーデン人(北方ゲルマン人)が約80%、外国からの移民が約20%。北方のラップランドには、サーメ人が約1万5000人住んでいる。
人口密度は、 1平方キロメートルあたり20人。(日本は、1平方キロメートルあたり329人)
スウェーデンの出生率は長い間低下していた。80年代全般と90年代の初めには出生率も上昇したが、2015年では1.85人、2020年では1.66人と減少気味である。
平均年齢は比較的高く、男性81.34歳、女性84.73歳(2022年)。
言語
スウェーデン語(北方ゲルマン語系)。スウェーデンには、この他少数言語としてサーメ語とフィンランド語がある。
スカンジナビア諸国の言語には、北方ゲルマン語系として、スウェーデン語、ノルウェー語、デンマーク語、アイスランド語などがあり文法や言葉など共通しているものが多い。これに比べてフィンランド語は、もともと中央アジア系のフン・ウグリー語系で、バルト海沿岸諸国のエストニア語、またハンガリー語とも共通点がある。
宗教
国教は、キリスト教プロテスタントの福音ルーテル派で、人口の約80%がスウェーデン国教会に所属している。この他、カトリック、イスラム教の信徒もいる。
政治と議会民主主義
スウェーデンは、立憲君主国である。国王(カール・グスタフ16世)は元首として儀式的役割を果たすが、国政の実権は持たない。議員内閣制で、首相に行政権がある。
議会は1院政。国会議員は直接選挙によって選ばれ、任期は4年。
選挙権は18才以上で、投票率は平均して85-90%と高い。
1932年-1976年、また1982年-91年の間は連立内閣で、このうち1976-82年、また1991-94年の間は保守連立内閣であった。
1994年の選挙以降は、社民党が少数単独内閣を形成していたが、2006年10月に非社民連合4党連立政権が成立し、2022年の総選挙により、現在は保守党連合が政権を形成している。
内閣は13の各省大臣で構成され、行政は約100の独立した行政局と23の県自治体によって行われる。県自治体は選挙で選出される議員による議会を持ち、県自治体税の収入によって運営され、主に県住民の医療サービスの責任を持つ。
スウェーデンには290のコミューン(市町村自治体)があり、選挙によって選出された議員による議会を持ち、地方税により児童、高齢者、障害者などを含む市民への福祉サービスや文化活動などを行っている。
また、スウェーデンに3年以上居住している外国人には、これら県自治体、コミューン議会議員選出の選挙権がある。
スウェーデンは「オンブズマン」の発祥地であるが、17世紀以来の議会オンブズマン(司法オンブズマンとも呼ばれる)の他、消費オンブズマン、平等オンブズマン、差別オンブズマン、児童オンブズマン、さらに障害者オンブズマンが制度化され、市民の権利を見守っている。
また、政府・官庁などのドキュメント(書類など)は、監査局やマスメディアなどの要求があれば、何時でも公表される。
外交と国防
冷戦時代が終わり、ヨーロッパにおいてスウェーデンの外交や安全保障に関しても新しい状況を迎えることになった。
それにより、ヨーロッパの統合の動きや新しい安全保障の体系作りに参画する機会も生まれた。
1994年に行われた国民投票の結果、スウェーデンは1995年にヨーロッパ共同体(EU)に正式に参加し、ヨーロッパの統合に積極的はたらきかけることになった。
スウェーデンは、国際外交・安全保障共同体(CUSP)においてEUがその統合力を強めるため、国際政府間会議(IGO)を推進している。
スウェーデンは、ナポレオン戦争以来約200年間中立・軍事的非同盟を掲げてきた。
しかし2022年2月のロシアのウクライナ侵攻を受け、同年5月、同じく軍事的中立の立場を取ってきたフィンランドと加盟を申請して、2024年3月にN A T Oに加盟した。
産業
昔は農業国だったが、現在は、付加価値の高い加工業が中心。自動車、機械、金属、造船、化学製品(薬品)、電気工業、製材、製紙、ガラス工業など。
貿易
輸出:1,978億493 万ドル(2022年)
◯主要品目: 機械類(13.9%)、鉄道以外の輸送機器(12.3%)、鉱物性燃料(10.9%)、電気機器(8.5%)、医療用品(6.7%)
◯主要輸出先: ノルウェー(10.7%)、ドイツ(10.0%)、米国(8.9%)、 デンマーク(7.5%)、フィンランド(7.3%)
輸入:2,021億6,492万ドル(2022年)
◯主要品目: 鉱物性燃料(14.0%)、機械類(12.3%)、電気機器(11.9%)、鉄道以外の輸送機器(9.8%)、フプラスティック(3.6%) 主要輸入先:ドイツ(15.3%)、ノルウェー(11.8%)、オランダ(10.6%)、中国(7.0%)、デンマーク(6.4%)
首都
ストックホルム。市内人口は、約98.5万人(2023年)、首都圏人口は、約240万人。
13世紀に、首都に制定された。バルト海とメーラレン湖をつなぐ水路に位置し、14の島からなる、美しい水の都である。
ストックホルムの発祥の地は旧市街(ガムラスタン)の小さな島で、昔は周りに杭があった。ストックは杭という意味で、ホルムは小島。つまりストックホルムは、「杭で囲まれた小さな島」という意味である。
ガムラスタンを中心に、北は繁華街や市庁舎、中央駅などがあるノルマルム地区、南は、芸術家や若者の多く住むソーデルマルム地区、西は、行政機関の多いクングスホルメン島、東にはバルト海に面してストックホルム港がある。
バルト海に面しては、博物館や美術館などのある島々があり、その一つのジュールゴーデン島には、有名なスカンセン野外民族博物館やチボリ、またヴァーサ博物館がある。