スウェーデン・オンブズマン調査員 ジェニー・オラウソンさん講演記録

医療と福祉

それで、その苦情届け入れを受けると、まず相手の方に説明を求めるということを、通常は文書で交換することが多いです。
もし相手先が満足するような答えを出さない場合、オンブズマンはそれを批判することができ、又、解決策を提示できます。

もし苦情が出た場合、オンブズマン側としては、法律に照らし合わせて、法律が間違っているとか、
或いはその官庁とか機関とかいったところが間違っているという様な発言はしません。
あくまで、機能障害を持っている人達の権利が守られているかどうかということを見守るというものです。

目的としては、国連の基準規則がスウェーデンの法律で、その基準規則を守っているかどうかを見るものですから、
あくまでもスウェーデンの中で機能障害を持つ人の権利が守られているかどうかを、法的に擁護されているかを
見守っているだけです。

コミュニティー(市町村)が機能障害を持った人に対するサービスの責任を持っているわけですから、
そこはオンブズマンが質問条項を出して、行政としては、それについて答えなくてはならない義務を持っています。

それからオンブズマンは、例えば、官庁ですとか機関とか、或いは一般の企業とか団体というものに対して、
交渉とイニシアチブ(主導権)を持っています。
つまり、交渉の主導権を持って交渉にあたるようにします。

ここで、苦情届け出ということから離れて権利というものを個人個人インフォームしていくということに移りますが、
個人個人はオンブズマンに相談できます。

手紙や電話などで、もし何か問題があったときは、法律について(こういう法律があるという)などの情報を教えます。
裁判の方法だとか、その苦情をどういう風にもっていくかということを色々教えてあげるわけです。

昨年度では、そういうようなアドバイスの件数が1,084件ありました。
これは前年度に比べて40%の増加ですが、これを見ても、アドバイスに対する要望というニーズが増えている
ということが分かります。

その他に、法律相談という形でインターネットのホームページに300頁に渡って、障害を持つ人達に向けて、
そういう法律的なサービスが受けられるように、いろいろな情報を発信しています。

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