スウェーデンの家庭料理!

社会と文化

スウェーデンの料理というと、やはりスモルゴスボード(smörgåsbord)という、いわゆるバイキング料理が有名ですね。

でも、これはいつでもどこでも食べるものでなく、普通は夏至祭やクリスマスなどの行事の時に食べるもので、普段は中々食べ(られ)ません。

また、どこのレストランでも出されるものではなくて、例えばストックホルム市内のレストランだと、おそらく一番高級なグランドホテルでしか食べられないと思います。

あとは、郊外に1・2軒あるかな…
でなければ、フィンランド航路のクルージング船に乗らなければお目にかかれないという料理です。

でも、このスモルゴスボードはホントにたくさんの料理があって、中には普段家庭で食べるような料理もあるので、今日はスウェーデンの家庭料理について…ということで…。

家庭料理として最もポピュラーなのは、何と言っても、やっぱりミートボールでしょうね。
日本でも、IKEAに行くと必ずメニューに出ています。

なぜポピュラーかというと、まず作り方が簡単なのと、とにかく子供たちに好かれているってことでしょうか…。

ミートボールというのは、おそらく世界中の国でいろんな風に作られているんでしょうけど、何でスウェーデンのミートボールが有名なのか…それにはいろんな謂れがあるんでしょうね…。

以前、ミートボールは英語圏で「Swedish meet-ball」と呼ばれたということを聞いたことがありますけど、定かではありません。

一つだけ…スウェーデンのミートボールで特徴があるのは、多くの場合リンゴンなどのジャムが添えられるってことです。

肉料理にジャムと聞くと「えっ?」と思われる人が多いでしょうけど…、そう、スウェーデン人はこれが好きなんですよ。

ジャムといっても、日本とか他の国で考えられるのより甘みは少なく、果実独特の酸っぱ味もあるジャムなんですけど、僕が初めてこれを見た時は、やっぱりびっくりしました。

一緒に食べるジャガイモは、一般的にはマッシュポテトが多いですけど、煮たジャガイモや焼いたものでも結構です。

あと、ポピュラーなものと言えば、まず「ピッティパンナ」(Pyttipanna)です。

これは、ジャガイモと厚めのベーコン、それに玉ねぎとかピーマンや青豆なんかを混ぜて焼いたもので、ほとんどの場合玉子焼きを乗せて、甘いカブ漬けを添えて食べます。

これも、ミートボールと同じように子供たちの好物の一つで、学校の給食には必ず出ます。

もう一つは、「ヤンソンの誘惑」(Janssons frestelse)という何とも魅惑的な名前を持つ料理。

これは、細く切ったジャガイモと玉ねぎ、それにアンチョビを塗してクリームを入れて、オーブンで焼いてグラタンにしたもの。

何で「ヤンソンの誘惑」というかというと、要するに昔ヤンソンという人が初めて作ったというのが由来らしいですが、これは子供たちのお気に入りには入らないかもしれません。

あのアンチョビの強い魚の味が、他のものに比べると好かれないのかもしれませんけど、僕は好きですね…。

それと、クリスマス料理やスモルゴスボードには、ミートボールと並んで必需品というか…。

この「ヤンソンの誘惑」も「ピッティパンナ」も、昔スウェーデンが貧しかった頃に、前日の夕食で残ったジャガイモに、他のもので味をつけて食べるという…どっちかというと「貧しい食事」の部類に入るものなんです。

スウェーデンの家庭料理と言えば、まぁ肉や魚などいろいろ料理して食べるものがありますけど、この「ミートボール」と「ピッティパンナ」、それに「ヤンソンの魅惑」の3種類は、スウェーデン独特の家庭料理として代表的なものでしょう。

あと…家庭でよく食べるものとしてサーモンが挙げられますけど、サーモンはもちろん焼いたり煮たりといろいろ料理できますが、極めつけはやっぱり粗塩とディルというハーブでしっかり漬けたマリネのサーモンでしょうね…。

これは、ジャガイモと食べても良し、オープンサンドにして食べるのも良し…で、僕なんかはこれを手巻き寿司で食べるのが至福のひと時…にもなってます。

でも、これはスウェーデン料理というより、どっちかというと北欧料理っていうか…ノルウェーでもデンマークでも、フィンランドでも好んで食べるものです。

スウェーデンの家庭料理には、その他にもまだたくさんありますが、そのうちにまたご紹介します。

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